看護師の業務の中に「フライトナース」という働き方があります。フライトナースは、ドクターヘリに搭乗し、救命救急の一端を担う看護師のこと。全国の救急救命センターにドクターヘリは配置されており、2023年4月調べで47都道府県に56機設置されています。ドクターヘリで活躍するフライトナースは、選りすぐりの看護師が採用されるものであり、誰もが簡単になれるものではありません。

フライトナースとして働けるのは、基本的に高度もしくは地域救命救急センターに勤務する看護師です。出動時には、医師とともにヘリコプターに搭乗し患者のもとへと急行します。フライトナースは、初期治療に利用する医療器具や機材の準備を行います。現場では、医師のフォローを行う他、患者が複数名に及ぶ場合はトリアージの実践や情報収集などの対応もします。傷の処置など、看護師ができることは医師の指示を仰ぎながら適切に遂行します。

患者をヘリコプターへ収容したあとは、バイタルチェックや病院への情報送信業務にあたります。救命救急センターで患者を引き渡した後は処置などに参加することもあれば、ヘリコプター内の環境整備を行うなど勤務先ごとに異なります。

フライト出動がない場合は、所属先での看護業務が主となります。天候の都合でフライトができないケースもあれば、一日に何度か出動要請が入ることもあるため、ドクターヘリ勤務はまちまちになるでしょう。ヘリの運用は24時間365日対応する都道府県もありますが、一般的には日中のみの運用となります。

フライトナースは、緊急時の対応がメインとなるため、言うまでもなく非常に高いスキルが求められます。ただその分やりがいが大きく、憧れる人が多いのも事実です。興味関心がある方は、ぜひフライトナースの基礎情報を確認してみてください。